kintoneで予実管理を行う際に、アプリ構成がネックとなることがあります。
自社で運用しているアプリをそのまま利用して実現ができれば、一番うれしいですよね。
本記事では、予実管理を行う上での「行いたいこと」と「システム的な制約」を解消するためのkrewData活用法についてご紹介したいと思います。
予算管理アプリと実績管理アプリの運用方法
予算管理アプリと実績管理アプリ 別々に運用しても予実管理はできる?
kinotneでアプリを作成する際に、予算管理アプリと実績管理アプリを別々に作成・運用することがあります。
- 予算と実績では管理する項目が異なるので、最適な運用の為に分けて運用する
- 運用方法が異なるので、アプリ構成を全く違う内容にしている
など、別々に運用する理由は各社で様々あるかと思います。
kintoneでは集計や計算は1アプリ内で完結するものですが、krewDataを利用することで、予算・実績アプリが別々に運用されていても予実管理を実現することができます。詳細はこちらの記事でご確認ください。
予実管理と一口に言っても、業務によって様々な管理方法があると思います。今回紹介する「予実管理」はサクッとシンプルに管理し…
kintoneでの予実管理 アプリ構成と運用について
別々にアプリを運用する際、アプリ構成も大きく異なることがありますよね。
例えば、入力タイミングや運用時の利便性の観点から、アプリのフィールド構成や入力単位が異なるケースが出てきます。
予算管理アプリ 構成例
1レコードで1年分の予算金額が登録できる構成。期初などに1年分の予算を1画面でまとめて入力できる。
実績管理アプリ 構成例
費用が発生したタイミングでデータ登録を行う。同年・同月であっても実績日ごとにレコードを登録する。
kintoneアプリのフィールド構成が異なるアプリ同士でも予実管理がしたい
kintoneで予実管理を行う上での課題
予実管理を行う際は予算と実績の2つの数値を比較しますが、先ほどのアプリ構成では予算と実績レコードが1対1の関係ではないため、うまく集計を行うことができません。
各アプリのデータを表で見るとこのような関係です。予算は1レコードで1年分の予算データを持っていますが、実績は1レコードが実績日単位です。
【krewDataができること】kintoneアプリのデータ構造を整形する
この課題を解決するために、krewDataで下の図のように予算アプリと実績アプリのデータ構造を揃えます。
【krewDataができること】kintoneアプリの予算・実績データを結合する
また、予実の計算を行う為に2つのデータを結合し、以下のようなデータの作成も併せて行います。
バラバラになっていると予算データと実績データを同一レコード内にまとめ、予実の計算ができるようになります。
krewDataドリルで詳しい設定内容をご紹介しています。テンプレートファイルがダウンロードできるので、併せて確認してみてください。
500-40 | 予実管理 以下のように、予実データと実績データを別々のアプリで管理しており、各アプリのデータ構造が異…
予算管理アプリと実績管理アプリの準備
予算管理アプリと実績管理アプリは、先ほどの2つのアプリを利用します。
予算管理アプリ
実績管理アプリ
作成するデータ
今回は予算管理アプリと実績管理アプリのデータを用いて、①部門ごと ②全社の予実状況が確認できるデータを2種類作成します。
①部門ごとの予実データ
②全社の予実データ
kintone+krewDataで予実管理を行う
krewDataのフロー
最終的にこのようなフローを設定しますが、今回は予実管理を行う為に予算と実績の「データ構造を揃える」という点がとても大切になります。
下図の①と②では、予実が可能な状態にするための下準備をしており、③では差異や達成率など予実の計算を行っています。
【ポイント①】予算管理アプリのデータ構造を変換する
予算管理アプリでは12か月分の予算を1レコードに保持しています。
実績管理アプリの構造に合わせて、1レコードで1月分のデータを扱うよう変換します。
変換後はデータが次のように変化します。
1レコードで1か月分のデータを管理するデータ構造へと変換することができました。
【ポイント②】月単位にデータを集計する
1レコードで扱うレコードを月単位に揃える処理を行います。
実績データは日単位で登録を行っていますので、月単位にデータを集計します。
【ポイント③】予実管理の計算を行う
予算と実績データを結合する
アプリ結合コマンドで予算と実績データを結合します。予算値と実績値が同一のレコード内に集約されたので、予実の計算が可能になります。
差異や達成率を計算する
データ編集コマンドを利用して差異や達成率を計算します。
出力アプリにデータを出力する
今回は、2つの出力アプリにデータを出力します。実行後にはこのようなデータが作成されます。
①部門ごとの予実データ
②全社の予実データ
テンプレートで試そう
ご紹介したシナリオは、アプリのテンプレートとkrewDataの設定ファイルをご自身の環境に読み込んで実際に試すことができます。
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