この記事では、製造管理の要となる「製造管理ダッシュボード」の作成方法をご紹介します。
このダッシュボードは「krewDashboard」を使い、生産ラインごとの現在の稼働率と、不良原因の発生数の2種類のデータをリアルタイムでレポーティングしていきます。kintone単体では、複数アプリの情報をまとめてダッシュボード化することは難しいため、こういったデータ活用はプラグインならではいえます。
せっかく製造管理に関わるアプリを作成したのに、日々データ入力するだけになってしまっている…という場合は本記事を参考に是非ダッシュボード化をご検討ください。
完成イメージ
今回ご紹介する製造管理ダッシュボードはkintoneアプリの一覧選択から、いつでも手軽に閲覧することができます。
ダッシュボード内のデータは複数のアプリからパーツを作成し、組み合わせて表示させています。今回は稼働率と不良原因毎の発生件数の2つのシートをタブで切り替えられるよう構成しています。
▼完成イメージ① ライン別の稼働率とその推移が確認できるページ
▼完成イメージ② ライン別に不具合の内容をリスト表示したページ
また、krewDashboardの仕様として、ダッシュボード内のデータをクリックすると、その表示の元データのレコード一覧に遷移することができます。
ダッシュボードで全体感を把握し、気になるデータはレコード詳細に遷移してすぐに内容確認できることも、krewDashboardを使うメリットとなります。
製造管理ダッシュボードの作成方法
アプリの構成
本設定には3つのアプリを使用します。
2つのアプリからデータを取得し、別アプリである製造管理アプリ内にダッシュボードを作成します。ただし、ダッシュボードの設置個所は必ずしも専用アプリにする必要はなく、データ元のアプリの一覧画面にカスタマイズ一覧として設置することも可能です。運用方法により適切な表示先アプリをご選択ください。
- 製造報告日報アプリ
- ラインごとの製造報告を管理するアプリ
日付、ライン名、稼働率、歩留まり率が入力されたアプリです。
- ラインごとの製造報告を管理するアプリ
- 不良報告日報アプリ
- 日々の不良内容を報告するアプリ
日付、ライン名、不良原因とその件数が入力されたアプリです。
- 日々の不良内容を報告するアプリ
- 製造管理アプリ
- krewDashboardでダッシュボードを作成設置するアプリ
製造報告日報アプリから稼働率と歩留まり率を、不良報告日報アプリから不良原因のデータをそれぞれ取得し、グラフや表を使って見やすいレポート形式で表示します。
- krewDashboardでダッシュボードを作成設置するアプリ
krewDashboardの設定概要
事前準備
・kintoneにプラグインを追加
・製造管理アプリのプラグイン設定画面にてkrewDashboardを適用
・krewDashboardを表示する一覧を作成
◎krewDashboardは無料で30日間お試しが可能です
https://krew.mescius.jp/trial/krewdashboard.htm
◎利用開始の手順はこちらから
https://docs.krew.mescius.jp/krewdashboard/#krewdashboard_main.html
ライン別の稼働率と歩留まり率、推移グラフの作成
krewDashboardでは、グラフや表などのパーツをドラッグアンドドロップで配置できます。
パーツを配置する際には、kintoneアカウント内にあるどのアプリからデータを取得するかの選択画面が表示され、グラフや表ごとに別々のアプリから必要なデータを引用して掲載することが可能です。
本設定で最初に使うパーツは「ナンバー」。強調したい数字をわかりやすく表示する際に役立ちます。
パーツを配置したら、フィールド設定と書式設定を使い、値の絞り込みやパーセントなど表示形式を調整していきます。
今回のように「各ラインの稼働率・歩留まり率」など似た設定のパーツを複数設置する場合は、コピーを作成し一部設定のみを変更して再利用することが可能です。
ナンバーを使って製造ライン別の稼働率と歩留まり率を設定したら、次は日ごとの稼働率の推移をグラフにしていきます。
画面下部に折れ線グラフを配置し、横軸に月日、縦軸に稼働率を入れ、グラフは製造ライン別になるよう指定します。
今回は細かい設定は行いませんが、各パーツはテーマカラーや表示スタイルを変更できるので、ダッシュボードの目的に合わせてある程度のデザイン性を持たせることも可能です。
以上で、1つ目のライン別稼働率とその推移のデータが完成しました。
引き続き「不良原因」のデータもまとめていきましょう。
不良原因のリストをピボットテーブルで作成
新たなシートにピボットテーブルを配置し、今度はデータ元に「不良品報告日報」アプリを選択します。
ピボットテーブルの設定には、列と行にそれぞれ「ラインと不良原因」「日付」を指定し、値には「件数」を選択します。この設定のみで行・列が自動集計されるので、不良原因ごとの合計数や日別の発生件数も一目で把握することができます。
最後に、発生件数の傾向を把握しやすくするためピボットテーブルに「データバー」を設定します。
条件付き書式の設定ルールから範囲を指定して設定し、グラデーションや色の指定も行います。
データバーを設置することで、大量のデータも大まかな傾向を把握しやすくなり、より視認性が高まります。
以上で設定はすべて完了です。
完成したダッシュボードは、製造報告日報アプリと不良報告日報アプリをリアルタイムで反映します。
都度の集計作業をする必要がなく、稼働率の低下や異常な不具合発生が起きていないかにもすぐに気づくことができるため、製造管理の工数削減・精度向上にお役立ていただけます。
是非、krewDashboardで日々のアプリ入力をデータの可視化・分析にまでつなげてみてください。
今回のアプリ設定を体験するには?
krewDashboardで実際の動作を試そう
▶30日間無料トライアルはこちらから
本記事内の設定の詳細は下記よりご確認いただけます。
▶krewドリル「製造管理ダッシュボードを作成する」
アプリテンプレートでスグに試そう
本記事で解説した設定を皆さんのkintone環境に取り込んですぐに体感していただけるよう、アプリのテンプレートとアプリに取り込むデータ、krewDashboardの設定ファイルを準備しました。以下よりダウンロードしていただけますので、ぜひお試しください。
▶ダウンロードはこちらから
セットに含まれる内容
・アプリテンプレートとサンプルデータ
(製造報告日報アプリ、不良報告日報アプリ)
・krewDashboard設定ファイル
取り込み手順
・アプリテンプレートからアプリを作成
・製造報告日報アプリ、不良報告日報アプリにそれぞれcsvのサンプルデータを読み込む
・krewDashboardの無料トライアルを申し込み、案内に従ってアプリに追加する
・プラグイン設定画面でkrewDashboard設定ファイル(json)をインポートする
※テンプレートのご利用は、以下ページにて手順をご確認いただけます。
https://krewdashboard-drill.mescius.jp/entry/first-step