今回は、株式会社OSKが提供する基幹業務システム「SMILE」とkintoneを連携する方法をご紹介します。今回は、販売管理から出力した売上明細をkintoneに取り込むシナリオをご紹介します。
取り込んだ売上データを集計して社内での共有をkintone上で行えたら、Excelでグラフ作成するなどの手間が省けて便利ですよね。
本シナリオは、SMILEのRPA機能を利用したCSVの自動出力機能とkrewDataの外部ファイル入出力機能を使うことにより、自動的にSMILEとkintoneでデータの連携ができるものです。
krewDataを使用したSMILE×kintone連携の概要
kintoneとSMILEを連携するためには、いくつか方法があります。
ここでお話するのは、krewDataというkintoneプラグインを使用して連携する方法になります。この連携のメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
・SMILE→kintoneへのデータ連携が自動的に行える
・krewDataを使うことによって、システム間連携で必須の複雑さをなるべく軽減し、ノーコードで設定できる
また、連携の全体像は下記のようになります。
連携で使用する機能
- SMILEのRPA機能
SMILEのRPA機能を利用し、CSV出力・取込を自動で行うことができます。この機能を使用すると、SMILEから出力したCSVファイルを定期的にストレージサービス内に出力することができます。※SMILE Vシリーズをご契約されていれば使用できます。 - krewData:スケジュール実行プラン
https://krew.mescius.jp/products/krewdata.htm - ストレージサービス:Box、Dropbox、OneDrive、Google Driveのいずれか
それでは、個々のサービスについて触れていきながら、少しずつ具体的なイメージに繋げていきましょう。
1.SMILEについて
SMILEは株式会社OSKが提供する基幹業務システムです。
SMILEにはRPA機能があり、RPA機能を利用することで、SMILE内のデータをCSVファイルに自動出力したり、CSVファイルを自動取込することが可能です。
たとえば、SMILEで管理している売上伝票データを指定した日時に共有フォルダーに出力してみんなで共有できるようなイメージを持ってみてください。
https://www.kk-osk.co.jp/products/smile_v/promotion/20180401/index.html
SMILEによる自動化
通常だと、SMILEからOneDriveやboxのようなストレージサービスにデータを出力することはできません。
しかしながら、ストレージサービスが提供しているデスクトップアプリをインストールすると、クラウド上のフォルダをあたかもPC内のローカルフォルダとして扱い、フォルダに配置したファイルは自動でクラウドに同期されます。
ローカルのフォルダであれば、SMILEの出力先として指定することができるため、本連携ではデスクトップアプリをインストールして使用します。
※具体的な設定は記事内の【クラウドストレージによる自動化】の項で触れています
下記動画のように、RPA機能を使ってCSVファイルを自動出力します。
本シナリオで対応できるSMILEのバージョン
・SMILE V
・SMILE V2
・SMILE V Air
https://www.kk-osk.co.jp/index.html
2.krewDataについて
krewDataはkintoneアプリ間のデータを集計したり、クラウドサービスにおいてあるCSV、Excelファイルデータを集計・加工してkintoneアプリに出力できるサービスです。(もちろん加工せずにただ同期するだけの使い方もOK)
krewDataによる自動化
本シナリオでは、クラウドストレージを介して外部サービスのデータを連携する役割を果たします。また、実績明細などを月単位で集計したり、予算と突き合わせるために粒度を合わせたデータの加工などもkrewDataで行うことができます。
ワンポイント
krewDataでは、スケジュールを設定して処理を行うことができます。たとえば、毎日夜11時に実行するよう設定すれば、そのタイミングでSMILEから出力したデータを処理します。※この場合には、SMILEのRPA機能の出力もkrewDataの処理の前に終わっているように設定しておくとよいでしょう。
クラウドストレージによる自動化
※大切なポイント※このステップは必ず行ってください
SMILEのCSV入出力機能では、クラウドストレージ内のフォルダにファイルを入出力することができません。しかしながら、各ストレージサービスのデスクトップアプリをインストールすることで、ローカルフォルダを入出力先として指定することができます。
- クラウドストレージを準備します。ここでは、OneDriveを使用します。
対象となるのは、OneDrive、Box、Dropbox、GoogleDriveのいずれかです。 - クラウドサービスが提供しているデスクトップアプリをインストールします。詳細は下記で確認できます。
・OneDrive:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/onedrive/download
・Box:https://www.box.com/ja-jp/resources/downloads
・Dropbox:https://www.dropbox.com/install
・GoogleDrive:https://www.google.com/intl/ja_jp/drive/download/ - デスクトップアプリをインストール後、ログイン情報を入力してクラウド版のデータと同期できるよう設定します。
連携のイメージ1:SMILEの売上伝票をkintoneに取り込む
SMILEで管理している売上伝票をkintoneに取り込む活用例です。krewDataを介して連携することで、ただデータをkintoneに流し込むだけではなく、不要なレコードを除いたり、予実集計用にデータの加工も併せて行うことができます。
具体的な設定方法
1.SMILEで売上伝票データを自動出力する
SMILEのRPA機能を使い、売上伝票をCSV形式で出力します。出力先はBox、Dropbox、OneDrive、Google Driveのいずれかに設定します。
再掲となりますが、RPA機能でCSVファイルを出力するイメージはこちらの通りです。
2.クラウドストレージに出力された売上伝票データを確認する
クラウドストレージのアプリをインストールすることによってローカルに作成される仮想フォルダ に売上伝票CSVが出力されました。
クラウド版で確認しても、同じファイルが同期されていることが確認できます。
3.krewDataでストレージサービスのファイルデータを取得する
今度はkrewDataでストレージサービスにおいてあるファイルデータを取得します。
krewDataには、ストレージサービスのデータを取得するための機能として外部ファイル入力コマンドがあり、ストレージサービスに出力した売上伝票のデータを下記のように取得することができます。
また、上記ではデータを取得した後に得意先別、商品別に売上集計を行っています。
その他の連携シナリオ:kintoneで管理している顧客情報をSMILEに取り込む
SMILEでも顧客情報は管理しますが、SMILEのアカウントを持たない現場のメンバーがkintoneに顧客情報を入力してSFAなどで活用したいシーンはあります。
この時にSMILEとkintoneで顧客情報を二重管理したり、転記の手間が発生しないようにするためにkintone→SMILEへ顧客情報の取り込みを行うようなこともできます。
補足
本シナリオでは、SMILE→kintoneへの売上伝票の取り込みに関して主に解説しました。テーブルによって入出力の可否が異なりますので、実際に設定する際には確認しながら進めてみてください。