krewDataを使いながら、「他の人はどうやっているのか」「どのようにフローを作成するのが正解か」悩むことはありませんか?他のユーザーさんの声を聞くことはあんまりないですよね。
今回は、krewDataをご利用いただいているお客様と弊社のメンバーから「krewDataを使う上でのコツ」を聞いてきました。
お話を聞いたみなさん
株式会社ジョイゾー 笹川 茉衣さん
kintone専業SIerジョイゾーさんで主にシステム39を担当されています。
ジョイゾー様会社サイト:https://www.joyzo.co.jp/
有限会社 矢内石油 矢内 哲さん
2018年のkintone AWARDでグランプリを受賞したお客様です。
現在はお客様への提案も行っています。
株式会社利根川産業 利根川 靖さん
krew利用歴:2年
利根川さんは、サポートやコンテンツをうまく活用しながら利用されています。
事例も公開しております。
上青木中央医院 清水 信貴さん
krew利用歴:1年ほど
清水さんは、kintoneエバンジェリストとして活動されています。
krewカスタマーサポートチーム
グレープシティでkrewのカスタマサポートを担当しています。
フロー作成のコツを聞く
ぜんちゃんさん
ぜんちゃんさんからは、分かりやすいフローにするための声をいただきました。
入力アプリから次のプロセスに進む時に
入力アプリの時点でレコードを絞るのではなく、フィルターのプロセスを入れた方が、後からメンテナンスする時に分かりやすい事が分かりました
メモでレコード条件を入れておけば済む事ですが、入力アプリから、多く枝分かれすることもあるので、フィルターを入れた方がなにか便利かと思います
フィルターは入力アプリでも設定を行うことができますが、あえてフィルタコマンドを使って絞り込むことで、「フローのプロセスが可視化される」メリットがあります。
ぜんちゃんさんは、下の図のようにフィルタコマンドでフィルタを行っているんですね。
入力コマンドでフィルタをすると、どのような条件で絞り込んでいるのか一目では分かりません。プロセスの可視化を優先した設定を行う時には有効な手段ですね。
ワンポイント
入力アプリでのフィルタとフィルタコマンドでのフィルタの使い分けのポイントとなる情報も記載します。以下のポイントを踏まえ、扱うデータ量に応じてフィルタの方法を使い分けてください。
- krewDataで読み込むことのできるレコード数には上限があります。入力アプリでフィルタ設定をしないと処理レコードとしてカウントされます。
詳しい上限を確認する - 入力レコード数が多い場合は、APIリクエスト数・処理速度に影響します。
株式会社ジョイゾー:笹川 茉衣さん
普段、笹川さんはkintoneの対面開発を担当されています。
構築後はお客様自身で設定ができるよう、「メンテナンスのしやすい作り」となるよう心掛けているのだそう。
お客様が後でフローを変更する時に分かりやすいよう、必要な処理はまとめるよう心掛けています。例えば、以下のようなことですね。
-フィールドタイプを変える処理
-請求日などまとめて日付を入れる処理
あとは、少し面倒でもメモは残すようにしています。
複数回行う同様の処理をまとめると、シンプルなフローを作ることができます。まとめてできる処理はないか常に意識しておくのは大事なことですね。
例えば、フィールドタイプ設定コマンドで1フィールドつずつ都度処理するのではなく、最後にまとめて処理すれば一度で済みます。
こんなこともある‥!
場合によっては同じ処理を複数回するとコマンド数が膨大になり、あとから少し変更を入れるにしても複数個所を変更しなければいけない時が出てきます。
メンテナンスのしやすさという意味でも処理はまとめるように心がけるとよいです。
有限会社矢内石油:矢内 哲さん
矢内さんは、自社だけではなくお客様への提案にもkrewDataを活用されています。
マスタデータが増えたときにkrewDataの設定も変更しなければいけない作りにすると、都度修正を入れなければいけないので手間がかかります。
ですので、マスタが増えてもメンテンナンスしなくてもいいようなフローにしておくことを心がけています。
あとは、アプリ結合はkrewDataを使う上でポイントとなるのではないかと思います。
アプリ結合コマンドは奥深くて、結合の種類によって異なるデータを作成することができます。僕がよく使うのは「左外部結合」「右外部結合」です。
マスタと実績データを結合する際にこの2種類の結合方法を使って結合すると、実績が存在しないマスタを特定できたりと何かと便利です。引き出しの1つとして持っておくことをお勧めします。
たしかに、アプリ結合はkrewDataの醍醐味と言ってもいいコマンドですね。実は結合の方法によって作成するデータが異なるので、パターンごとに頭に入れておくと他のフローでも生かすことができるとおもいます。
(参考)アプリ結合コマンドの解説
コンテンツやサポートを活用する
わたしたちが提供するものとしては、次のようなコンテンツやサービスがあります。
これらをフロー作成に役立てているお客さまにもお話を聞きました。
利根川産業:利根川 靖さん
利根川さんは普段からサポートやコンテンツをうまく活用されています。
実際に活用された感想とおすすめポイントを伺いました。
技術サポ―トについて
krewDataのデーター編集フロー構築につまずいたときには、やはり技術サポートへの連絡が解決策となります。自分でも思いつかないような難しいフローなどを解決策として提示してもらうことができます。
手順としては、技術サポートページにアクセスし、メールアドレス、件名、問合せ内容、添付ファイルなどを専用フォームより送信します。ポイントは問合せ内容を具体的に説明し、添付ファイルに、kintoneアプリのアプリテンプレート、krewDataアプリ設定のインポートファイル、kintoneアプリのデーターファイルなどを送ることです。
問合せする際に準備にやや戸惑いますが、素晴らしいフローが帰ってくることが多いので面倒だとあきらめずにチャレンジしてください。
また、フローの一部がほかのアプリ連携構築に横展開できる場合も秘めています。技術サポートの方は親切丁寧に対応してくれますので是非有効活用してみてください。
活用コンテンツ
みなさんkrewDataドリルをご存じでしょうか?こちらはグレープシティさんがデーター編集フロー構築のTipsとして紹介しているものです。
画面上の説明から実際に演習ファイルをダウンロードしアプリを作成、データーを読込、各データー編集フローの詳細を自身のkintone環境で確認することができます。
まずはこちらのドリル(基本編・応用編)を確認しできることを把握した上でアプリを作成してみてはいかがでしょうか?
krewDataドリル:https://krewdata-drill.mescius.jp/
また、利根川さんは、気になるブログ/ドリル記事があればブックマークしてるそうですよ。
ヒント集としてスクラップしておけば、あとから見返すことができますね。 技術サポートやヘルプもブックマークしているとのこと。ぜひ皆さんもやってみてくださいね☝
上青木中央医院:清水 信貴さん
清水さんは、krewDataドリルを見ながらkrewData構築に役立てているそうです。
苦手意識のあったkrewDataもドリルを使って活用の幅を広げたそうです。
IT専門職でない私は、どうにもデータベースやシステムについての勘所が悪く、krewDateでいったい何が出来るのかピンとこない事も多いです。
そんな私にとって、krewDataドリルは出来る事を増やしてくれるツールです。
TODOリストにドリルをどこまで実施したかを書き込みながら進めていきました。
ドリルの内容をひとつひとつ自分の業務にあてはめながら学んでいく事で、これまで乗り越えられなかった課題がグッと解決に近づいてる事を日々実感しています。
krewDataは「アプリ間のデータを集計・加工できる」と紹介されることが多いのですが、実際の業務と紐づけて考えたときに、なにが改善できるのか想像しにくいというのは事実だと思います。
こういった課題を解決するために、より具体的な業務シーンで使える例をご紹介しているのがkrewDataドリルです。アプリテンプレートも併せて公開していますよ。
krewDataドリル:https://krewdata-drill.mescius.jp/
また、社内でこれからさらなる活用を進めたい方は、「krewData厳選シナリオ集」というコンテンツもおススメです。krewDataで改善できるシナリオが詰まった資料です。
krewData厳選シナリオ集:https://download.krew.mescius.jp/materials/krewdata_scenarios.pdf
krewカスタマーサポートチームに聞く!フロー作成のコツ
最後に、krewカスタマーサポートチームに聞いた話をご紹介します!
普段みなさんからいただく問い合わせ対応を担当しているメンバーです。お客様の声をダイレクトに聞く分、躓きポイントやコツなどのノウハウを多く持っています。
設定前に考えておきたいこと
入力アプリと出力アプリの構造、運用イメージを固める
なによりも大切なのは、krewDataで設定を行う前にそれぞれのアプリの構造や運用イメージを固めておくことです。
やってしまいがちなのは、「krewDataを設定しながら出力アプリのデータを考える」ことですが、これでは正解の拠り所がなくなってしまいます。作りながら何となく考えるよりは、最初にデータの入り口と出口のイメージを固めてから作成する方がおススメです。
これができていると、あとはどんな手段で目的のものが作れるか考えるだけなので、スムーズに設定が進みます。
設定中に頭が混乱してしまう
Excelに入力データ、出力データのイメージを書き出して整理する
設定に慣れていなくて混乱する時は、Excelに入力データと出力データを書き出してみて整理するといいとのこと。
まとめ方は人によりますが、こんなイメージでデータを書き出すといいですよ。
自分自身の考え整理にもいいですが、時に業務担当者との擦り合わせに使うと意思疎通が図りやすくなります。
上記は、入力アプリ・出力アプリのデータだけを書き出していますが、詳細に整理したい場合はさらに途中経過も書き出すのもいいとのこと。
krewDataで設定を行う時に、どんな処理をしたらよいのか意識できるようになるのでおススメです。
メモやコマンドのタイトルを変更する
メモやコマンドのタイトルは必ず使った方がいい機能ですね。
コマンドのタイトルはそのコマンドで何をしているのかを書き残すことができます。
メモはコマンド数が多い/複雑なフローの時に特に効いてきます。
例えば、目的とする計算を行いたい時に複数のコマンドにまたがって処理する場合がありますよね。そういった時には、それら複数のコマンドに対してメモを残すことができるので、後で振り返った時に何のための処理なのか分かりやすくなります。
思ったようにデータが集計・加工できない
データ編集フローでデータを加工・集計したものの、思ったイメージのデータになっていない場合の対処方法です。
フィルタでレコードを絞り込んで原因を探す
どこでうまく設定できていないのか調べるために、特定のレコード(もしくはパターン)だけに絞り込んだ状態にする方法です。
入力コマンドのフィルタで対象を絞り込みながらプレビューや設定内容を確認していくと、原因の特定が行いやすいですよ。
分かりやすいサンプルデータを使う
すでに運用しているアプリのリアルなデータを使うよりも、シンプルなデータを用意した方がkrewDataの設定も行いやすいとの声もありました。
最終的には既存のデータを使いたいと思いますが、krewDataを設定するために「都合のいいデータ」を作成しておく方がスムーズに設定が進められると思います。